前回の貴族令嬢

庶民の食事に触れる貴族令嬢「大宮？埼玉土民らしいチンケな街ですわね…」


令嬢は伯爵邸に圧倒されていた

「つまみに呑む！！！」

貴族令嬢「あー試しにやってみましたけれど、飲み代無駄にした気分ですわ…」

貴族令嬢「この雪辱は、次の店で晴らすしかありませんわね」


店員「はいいらっしゃい」

貴族令嬢「一人ですわ」

店員「ではこちらのカウンターで」

貴族令嬢「ビール、それと味噌汁を」

店員「へい今すぐ」

貴族令嬢「大きめの駅の中には立ち食い寿司屋というものがありますわ。立ち食いそばのように立って職人の握った寿司を食わせるスタイルの店です」

貴族令嬢「回転寿司よりも上、だが回らない本格的な寿司よりは下という微妙な中間ラインを駅ナカという入りやすさを武器に攻めるジャンルの立ち位置…」

貴族令嬢「江戸前寿司の発祥はこういった立ち食い屋台で食べさせる寿司屋…実は本来の源流にもっとも近いあり方の寿司屋スタイルと呼べるものですわね」

店員「はいビールと味噌汁です」

貴族令嬢「まずは喉にしめりけを！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

貴族令嬢「季節のネタから攻めたい気分ですが、それは後に取って…タイ、アジ、赤貝お願いしますわ」

店員「へい」

貴族令嬢「寿司の食い方はいろいろこだわりを問われますが…」

貴族令嬢「私はその時の気分で好きにやる派ですわ」

貴族令嬢「寿司食ってるときに細かいことなんか考えたくありませんの！！」

貴族令嬢「日本人なら目の前の寿司に無心になるべきですわ！」

貴族令嬢「残業で疲れてるときはなおさらに！！」

店員「へいタイアジ赤貝」ﾋｮｲ

貴族令嬢「回転寿司も悪くはありませんが、懐に余裕があるうちはやはり目の前で職人が握るやつを食べておきたいものですわね…」

貴族令嬢「タイ、白身の基本…そして夏が旬のアジ、私の好きな赤貝…」ﾊﾟｸﾊﾟｸﾓｸﾞﾓｸﾞ

貴族令嬢「追ってビール！」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

貴族令嬢「外人にこの快感はわかりますまいに！！」

貴族令嬢「ひらめとうなぎ、あとブリお願いしますわ」

店員「へい」

貴族令嬢「開いた間をガリをつまみつつ味噌汁を味わう…」ｽﾞｽﾞｯ

貴族令嬢「あおさノリの味噌汁、大好きですわぁ」

貴族令嬢「あと日本酒、八海山で」

なんやこれ初めて見たがすこ

貴族令嬢「ビールから日本酒への切り替え、スムーズに行えるかが酒飲みの技量というもの…ここは経験がものをいうのですわ」

貴族令嬢「ここらでそろそろ旬のものを…するめいか、それとイワシとすずき」

店員「へい」

貴族令嬢「寿司を思い通りに食える…社会人になった喜びですわね…」

店員「へいいかにイワシとすずき！」

貴族令嬢「イカの甘味、最高…イワシも脂がありますわねぇ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ひとりでこれやってる令嬢凄すぎるわ
ワイひとりで入るのすら躊躇するのに

ステーションバーなんて単語久々に聞いたな

ワイは鶴橋の立ち食い寿司屋によく行くわ

貴族令嬢「そしてもっきりの八海山…」ｽﾞｽﾞｯ

貴族令嬢「口中に夏の日本海…！」

貴族令嬢「開いた隙間へ升に入った分を注ぐ…！」ﾄｸﾄｸ

貴族令嬢「一滴残らず…！」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

貴族令嬢「この作法だけはきっちりやっておきたいですわね…あ、あと炙りとろサーモンとかわはぎお願いしますわ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

やってることがガチおっさん

野武士のグルメやでｗ

ワイ成り上がり貴族令嬢｢子供向けアーケードカードゲームに連コするのやめられませんわ……｣

店員「へいかわはぎ、それととろサーモン今炙りますねー」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

貴族令嬢「かわはぎは夏が旬…そしてかわはぎの本体とも言える肝を上に載せてくれるありがたさよ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

貴族令嬢「そして炙りとろサーモン…江戸前にサーモンはないなんて今はもう言うもの野暮というものですわ…美味いものが寿司屋にあってなにが悪いというの…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

貴族令嬢「八海山、冷やでもう一杯お願いしますわ」

貴族令嬢「近頃は低糖質といいながら酢飯を残す人もいるという、愚かしいですわね。このシャリとネタの渾然一体となったものを味わわずしてなにが寿司ですの…」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

貴族令嬢「あと酒、寿司に絶対酒必要ですわ」ｸﾞﾋﾞｸﾞﾋﾞ

貴族令嬢（38歳）

ワイは寿司に醤油は付けない派や
もともと酢飯で味ついてるのにしおっ辛くて食えたもんじゃないし素材の風味まで押し殺してまう気がする

寿司と日本酒って軽く飲んでほろ酔い状態で行くとリアルガチエンドレス円舞曲になってまう悪魔的な相性の良さよね
なろうの方にも新作上げてたんやね
夜勤明けの缶チューハイ飲みながら今から読ませていただきますわ

店員「はいまいどありがとうございます」


貴族令嬢「ふぅ…思ったより食べてしまいましたわねぇ…やはり寿司屋、気が抜くと勘定が思ったより高かったりしますわ…」

貴族令嬢「ふぅ…人手不足で明日の現場も多分残業ですわね…明日の気温は…」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

貴族令嬢「天気予報だと38度かぁ…家で寝てたいですわあ…」

貴族令嬢「…いえダメですわこういうときに諦めてはサボり癖がつきますわ。行くといった以上はいかないと」

貴族令嬢「安倍さんも毎日こんな感じだったんでしょうかねぇ…」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ



　終わり

乙

UberEATSは助かってる。安倍もお疲れ様。